自分の好きな、影響を受けたアーティストを1人決める。これが思っていた以上に難しいのですが、文明の利器を駆使して調べていたところ言葉の壁にぶつかり、とある日本人アーティストに落ち着きそうでございます。ジパング最高。
自分が直感で好きだと思うものは大抵空間を広く使った五感をくすぐられるようなビジュアルアートが多い。最初に視覚、次に触覚、そして聴覚や嗅覚、時には味覚、嫌でも五感が刺激されるようなものである。
大巻伸嗣というアーティストは、子供の頃から街全体が遊び場だったという。家の屋根をつたって友達の家まで行ったり、道路でローラースケートをしたり。そんな少年時代の延長として今の作品があるのだと思う。遠くからただ眺めるだけの作品ではなく、実際に触ったり、作品の上に立ったり歩いたりすることで、鑑賞者の気持ちが自然に作品の中に入っていく。そうして、作品は「作品」として成立する。
そこにあるはずなのに普段は認識されていないもの、例えば空気や空間、または自分だったりもする。そういったものが、身体を介して見えてくる。アーティストが作った「きっかけ」の中に、実際に我が身を突っ込んでみて初めて、「認識」が生まれる。
いわば、「遊び場」なのである。オトナの遊び場。というと語弊があるが、オトナの遊び場、で間違っていない。多くを与えないシンプルな玩具を「きっかけ」として設置する。そしてあとは受け取り手にゆだねられる。それで受け取り手の心が動いたもんなら万々歳。それがオトナの遊び場、である。
大巻伸嗣のように、子どものときの遊び方は現在の感性、感覚に大きく関係しているのだと思う。小さな子は他人の目など全く気にしないで五感をフル稼働させて日々生きている。最高のアーティストである。最高から10年程経ってしまった今、最も輝いていた当時の感覚を思い出し、昇華させて制作に取り組んでいきたい。
挿入画像
1枚目 大巻伸嗣《Liminal Air Space-Time》
2枚目 大巻伸嗣《Liminal Air -descend-》
3枚目 Anish Kapoor
4枚目 Anish Kapoor《Cloud Gate》
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